■ はじめに
子どもの事故は、「不注意」ではなく “環境の問題” であることがほとんどです。
元レスキューとして15年間、家庭内の事故現場にも数多く出動してきましたが、
特に多かったのが以下の2つです。
- 小さなオモチャの誤嚥事故
- ドアの蝶番側に指を挟む事故
どちらも、少しの工夫で 確実に防げる事故 です。
この記事では、実際の現場経験にもとづき、
「どういう家で事故が起きやすいのか」
「どうすれば防げるのか」
を専門的に解説します。
事故①:小さなオモチャを飲み込む“誤嚥”はなぜ起きるのか
現場でよくあったパターン
元レスキューとして、誤嚥事故で多かったのは以下のケースです。
- 兄姉のおもちゃ(ビーズ・レゴ)を、下の子が口に入れる
- 床に落ちていた小物を拾ってそのまま飲み込む
- ガチャガチャの小さな部品
- ボタン電池(最も危険な誤嚥の一つ)
誤嚥は泣き叫ぶわけではなく、
“静かに”起きる ため、親が気づきにくいのが特徴です。
誤嚥の危険サイン(現場で見てきたもの)
- 咳き込み → その後急に静かになる
- 呼吸音が変わる
- 顔色が悪くなる
- 口に手を入れようとする(※逆効果のことも)
誤嚥を防ぐための環境づくり
①誤嚥サイズ(直径39mm未満)をまとめて管理する
100均のケースでOKです。
兄姉のおもちゃも“誤嚥サイズボックス”にひとまとめにするだけで事故率は激減します。
②床に物を置かない“5秒習慣”
落とした小物・パーツは床にある時間が長いほど危険。
5秒で拾う癖をつけるだけで大きな事故を防げます。
③兄姉の“遊びゾーン”を決める
年齢の違う兄弟がいる家では特に重要。
「小物のある遊びはこのマットの上だけ」
というルールを作ると安全です。
④ボタン電池は別管理(絶対に触れさせない)
飲み込むと2時間で食道が損傷することがあります。
最優先で隔離管理してください。
誤嚥対策グッズ(おすすめ)
- 誤嚥サイズ収納ケース
- 小物おもちゃ収納ボックス
- 子ども用ゲート
事故②:ドアの蝶番側に指を挟む事故が多い理由
現場で実際に多かったケース
子どもの指挟み事故で、特に多いのが “ハイハイができるようになった直後” の幼児です。
親御さんはみんな口をそろえてこう言います。
「まさか、こんなところまで来れるとは思わなかった…」
「こんな動きができるなんて知らなかった」
これは、
子どもが日々ものすごいスピードで成長している証拠 です。
昨日できなかった動きが、今日はできる。
その“成長の瞬間”が、親の想定を超えることで事故が起きます。
特に、
ドアの蝶番側は完全な死角で、最も重傷になりやすい場所 です。
指挟みが起きる典型パターン
- 親がドアを閉める直前に、子どもが静かに近づく
- 親が片手に荷物・洗濯物を持っていて視線が外れている
- ハイハイ〜つかまり立ち期で、行動範囲が急に広がる
- 蝶番側に興味を持ち、手を添えるように掴む
蝶番側は閉まる力が強く、骨折することも珍しくない事故です。
指挟みを防ぐ方法
①蝶番側プロテクター(必須)
1000円前後で買えるので最優先アイテムです。
“挟める隙間”を物理的に失くします。
②開閉時の声かけルール
「ドア閉めるよ」
この一言が事故をほぼゼロにします。
③子どもの視線で家を見直す
大人の視線では見えない危険が、
子どもの目線に合わせるとたくさん見つかります。
④ドア付近にオモチャを置かない
ドア周りは“遊びNGゾーン”
元レスキューとして伝えたい“親の気づきポイント”
救急救助の現場で感じたのは、
事故の8割以上は「ちょっとした環境改善」で防げる ということです。
- 子どもは危険を予測できない
- 行動範囲は想像以上に広がる
- 事故は一瞬のスキに起きる
- 親の“想定外”は、成長が早い証拠でもある
だからこそ、
「不注意」ではなく「環境づくり」がもっとも重要です。
まとめ:家庭内事故はほぼ防げる
誤嚥と指挟みは、
子どもの事故の中でも特に多く、しかも重症化しやすいものです。
しかし、
- 小物を管理する
- 蝶番側をカバーする
- ドアのルールを決める
- 子どもの目線で家を見る
この4つを徹底するだけで、
事故のリスクは驚くほど下がります。

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